映画「はたらく」過去の感想 その2

 

 

最近いただいた映画「はたらく」の感想です。

 

○翔平が最後に仕事が楽しいと感じてそう笑って発言できたことが印象的だ。楽しいと感じられるまでには周りのサポートもあり、どのように進めていけば翔平がスムーズに行えるのか、覚えることが出来るのかなど色々な場面で工夫したり、やり方を考えて伝わりやすい方法などを実践していったのも楽しさを感じる大きな要因ではないかと思う。

誰しもが働くうえで上手くいかない事やわからないがあっても周囲の環境や一緒に働いている人とのつながりがあってこその働く楽しさや大変さを感じると思う。障害を持っていても仕事が難しくても働く事の楽しさや、意味などは仕事内容に関係なく感じたりすることが出来るのでそういった楽しみを感じながら障害を持っている人でも働くことに取り組めるようになっていけたらと感じた。

 

○映画は翔平さんと一緒に映画製作をしていく過程の様子と映像と実際に完成した映画の2本立てのものでした。翔平さん自身知的障害を持つ自閉症の方で、正直どういう俳優ということがやれるのだろうかという思いがあった。映画の中で、何度も”はたらく”とはと投げかけられた。自分たちにとって”はたらく”とは、お金を稼ぎ、豊かにくらすことでもある。その中で、障害を持っている人が、”はたらく”ということが、本人にとって何につながるのだろうか?私たちにとって当たり前に思っていることが、どのような意味を成すのかなどとても考えることが多かった映画であった。この映画の中で印象的な言葉が、”仕事は一緒にする仲間が大事  それにはそばにいる人が導くこと”  誰しも、完璧な人間はいない。人に支えてもらいながら生活をしている。障害を持つ方も、周りの人に助けられながら、与えられた役割がこなせられると、仕事につながり、その人の生きがいにつながるのではないかを感じた。

 

○障害をもった方は「働く」ことをどのように捉えているのだろう。初めは言われた通りに言われたことを淡々と決められた時間にやる。意味の理解は難しいかもしれない。それが「自分は役に立っている」「できるようになった」「褒めてもらえた」「お金がもらえる」と働く意味や喜びを知ることができたなら本人はきっと幸せだ。それは親や周りの人が時間をかけて導いていく必要がある。様々な体験の中で「ありがとう」と言われ人の役に立つ喜びを覚えたり、買い物をすることでお金を持つ意味を学べるようにしたり将来自立することをイメージし、働くために本人に必要な力は何かを考えることが必要。親御さんに少しでも寄り添うことができる支援者になりたい。

 

○齋藤監督の想いとして、映画「はたらく」は考えるきっかけのご提供に過ぎず、「仕事とは、働くとは、幸せとは、豊かさとは、福祉とは、何か。」皆で分かち合い、考えていけたら、またその積み重ねが、より良い社会の第一歩であると信じている、とリーフレットに書かれているが、まさにいろんな意味でとにかく考えさせられる作品だった。齋藤監督が翔平さんを主人公にしたいと思った主な理由は「彼の存在感」、何より「彼の人格としての深さ」とある。それには、齋藤監督が福祉作業所で働いていた過去があり、翔平さんに興味を持ち、知ろうとした、そもそもの出会いもある。そのマイノリティであるハンディキャップを持った人たち出会い自体が、一般の人たち(いわゆる健常者と呼ばれるような人たち、マジョリティ)にとって少なすぎる現実がまずある。ノーマライゼーションやインクルージョンといった認識も、専門家や当事者や家族、福祉に関わる人にはすぐにわかる概念でも、マジョリティである一般の人にどれほど理解されているだろうか。反対に、ハンディキャップを持った方たちがどれほど社会参加できているだろうか。また、他のハンディキャップを持った人でなく、翔平さんを齋藤監督が見出したことも興味深い。齋藤監督は、自閉症という言葉だけで説明できるほど一人の人間を知ることは簡単ではないが、それはどの人も同じだと思うと述べられている。とても心に響く言葉である。そこには偏見や先入観ではなく、人として翔平さん自身への関心が感じられる。監督が翔平さんに関心を持たれた要因の一つとして私が思うのは、翔平さんにはやれるやれないに関わらず、まずやってみようという気持ちがあるように感じた。「ハイ」とか「う(ん)」などYESで答えられるのが多かった。物事を肯定的に捉えられる能力は、自己肯定感にも繋がるだろうし、ペアやチームとして何かをする時にも大切だろう。それが、翔平さんの年齢から、今ほど発達障害が周知されておらず療育も充実していなかっただろう子ども時代を思ったり、どのような子育てをご家族がし、どのように地域生活を送ってきたのだろうかなど、ドキュメンタリーとしての部分の背景をもっと知りたい気持ちになった。翔平さんに指導するシーンに専門家がそこにいたら、口頭や真似だけでなく、視覚支援や動線、感覚的なことなど相互に様々なアドバイスができるように思ったが、逆に一般の方々が翔平さんの特性を一生懸命考えること自体もまた素晴らしい事だとも思う。映画「はたらく」は、本当に色々考えるきっかけを与えてくれたと思う。

 

以上です。

 

過去の感想でまだ公開していないものを今後もこちらでアップできたらと思っています。